Netflixとは?なぜNetflixが数多くのVODサービス会社の中で最強なのか
いまや映像コンテンツの黄金時代。多くの企業が映像コンテンツの業界に乗り出しています。とりわけ視聴者が観たい時に映像コンテンツを視聴することができるサービスであるビデオ・オン・デマンド(VOD)のサービス提供業者が増えています。
激戦が繰り広げられるVOD業界の中で何故Netflixは勝ち続けてこれたのか、そもそもどういう会社なのかを徹底解説いたします。
VOD業界の最新動向について
いまや映像コンテンツの黄金時代。Netflixを追撃すべく、各社多額の投資をしてコンテンツの質と量を増やしユーザー獲得合戦を繰り広げてます。有名な企業は以下の通り。
ディズニー:713億円を投じて21世紀フォックスを買収。
Amazon:Amazonプライムに加入すると、動画だけでなく、音楽、電子書籍も同時に楽しむことが出来て、ショッピングの特定も受けられる。動画以外のコンテンツも拡充しセットで提供することでユーザーを囲い込む戦略。
AT&T:850億ドルを投じてタイムワーナーを買収。通信会社と巨大コンテンツ会社の融合によってNetflixを追随。
ちなみに、筆者はAmazon、ディズニーチャンネル、Netflixに加入しておりますが、各社なんとかして視聴者を得ようとしているのがよくわかります。例えばAmazonのFire TV Stick。
これをテレビに差すだけでNetflix含むVODを視れるので、購入しましたが、音声認識機能を使うと、Amazonプライムの作品しかでてきません。また、NetflixはテレビのリモコンにNetflixボタンを埋め込む戦略を取っており、コンテンツ以前のハードウェアから優位性を確保する戦略が各社取られています。
特に今後注目なのがAT&T。5Gの時代になると、大容量転送、低遅延を背景としてモノとモノがつながるのが当たり前の時代となり、通信容量をいくら使ったかで課金する現在のモデルは変わると言われてます。どうなるかというと、映像コンテンツといった繋がった先のサービスと通信をセットで提供する料金体系になると言われてます。コンテンツだけでなく通信インフラを持つことで他社とは違ったサービスの優位性を出せる可能性がありますね。
このような業界動向の中でもNetflixが最強であり、今後も最強であり続けるであろう理由を解説します。
Netflixとは?基本情報について解説
Netflixはアメリカのカリフォルニアに本社を置く、世界最大の動画配信サービスを提供する企業です。ウェブサイトからの注文可能なDVDのレンタルを世界で初めて導入し、その後、当時では画期的だった定額制のレンタルDVDサービスを開始しました。そして2010年にオンラインストリーミングのサービスを開始し、現在では世界で1億5千万人を超えるユーザーを抱えるまでに成長しています。
Netflixが最強である理由は?3つの強みについて解説
Netflixの強みは大きく3つが挙げられます。
膨大なデータの蓄積とデータを活用したコンテンツ制作
インターネットにつながるあらゆるデバイスにNetflixのストリーミングアプリを組み込み、アプリケーションからユーザーの利用情報を取得し、その情報を活用して魅力的なコンテンツ制作を行っています。例えば、いつどこで何時間動画を見たのか、どのタイミングで動画を止めたか、どの視聴者だとどの俳優・女優が魅力的に見えるのかといった情報を蓄積すれば、映画の種類に応じて起用する俳優、映画シーンの流れ・順序を最適解を導くことが出来るということですね。
目先の利益より成長を優先する先行投資戦略
Netflixは収益の85%をコンテンツ配信権の獲得やコンテンツ制作に費やしていると言われています。他の企業も真似すればいいじゃんと思われるかもしれませんが、これは経営者の一存では決めることは出来ません、株主会社は会社は株主のものであり、経営戦略は株主の投票によって決まります。そのため、配当金の比率を重視する株主が多い企業の場合、利益の殆どは株主配当に充当されるため、コンテンツ制作といった投資に回すことが出来ません。
ちなみに、AT&Tの現在の配当利回りは5.4%となってます。対してNetflixは配当金がありません。無配にしてその分をコンテンツの拡充に費やしてます。そのような無配戦略でも株価は15兆円近くあり株を買ってくれる人が大勢います。それに対して、5.4%も配当利回りを出さないと株を買ってもらえないAT&T。どちらが勝つかは一目瞭然かと思います。
ビンジウォッチング
ドラマのように複数回のシリーズとして配信されるコンテンツを、数話まとめて、あるいは最初から最後まで一気見出来る視聴方法のことです。早く全話を見通したいという意識から、複数話を集中して見るスタイルが主流となってきました。ユーザーはビンジウォッチを、ドラマに夢中になることで忙しい普段の生活から逃避することのできる有意義な時間として認識するようになったのです。
Netflixの脅威について
VODサービス提供業者の中ではNetflixが最強であるという解説をしましたが、その中でNetflixが脅威と感じていることは可処分時間の奪い合いの激化です。つまり「1秒でも長く」ユーザーの時間を奪うことが企業価値の向上のために必須と考えている会社はVOD業界だけではなく、ゲーム業界、SNS、なります。
Netflixは2018年度第4四半期の業績発表を行い、投資家に「われわれが戦っている相手は衛星/ケーブルテレビのHBOなどではなく『Fotrnite(フォートナイト)』であり、そして負けている」と述べました。(『フォートナイト』(英:Fortnite)は、Epic Games(エピックゲームズ)が販売・配信するアクションビルディングゲーム)
ちなみに筆者も、e-sportsのゲーム配信を見ている時間が多くなり、その分映画を見る時間が少なくなっているのを感じてます。自分がやりこんで面白いと感じたゲームをプロが配信していると、そんな技があるのかと感動することが多々あります。(映画よりも面白いとかつまらないとか、比べることは出来ないです)
ユーザーの視聴時間を奪い合いは業界を超えた戦いを繰り広げており、VODに限らずいかに品質の高いコンテンツを提供するかが今後の勝敗の決めてとなりそうです。